GeoLite2 (Free版) を使う際の Creative Commons ライセンス (CC)の書き方に関して


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2020/01/04

今回は、GeoLite2 API(Free版)を利用する際に表記しなければないないCreative Commons (以降CC) の書き方に関するメモです。

以前このブログで取り上げていた、
『Google Maps API (旧Google Ajax API) からクライアント位置情報を取得する』においてちょこっとだけ触れていた、GeoIpのようなサービス機能をこのWebページにどう取り込むのか、という話のつづきです。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の技術ブログ
Google Maps API (旧Google Ajax API) からクライアント位置情報を取得する

Google Maps APIを利用してgoogle.loader.ClientLocationの取得を検証してみます。

まだ検討段階なのですが今回実現したいと考えている機能は、
日本国以外からのアクセスは、英語のページへ動的にナビゲーションするというような個人的野望の第一歩です。

なので、アクセス元のロケーションの緯度経度、といったような高精度の地理情報なんてそれはもう高級なデータベースは必要とはしてない…IPからアクセス元の国籍を抽出したい、程度の使いこなしです。

そんな位置情報制度を必要としない用途で使えるのが、
Maxmind社のGeoLite2です。

ただし、
GeoLite2を利用する場合、Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International Licenseという種類のライセンスに従うことが要求されるため、自身のプログラミングでこのデータベースを使う際に注意が必要です。


TL;DR

とりあえずGeoLite2をWebページ内でそのまま利用する際には、最低限度、以下の文をアクセスしたユーザーが見やすい位置に貼り付けておけば良いとのことです。

            
            This product includes GeoLite2 data created by MaxMind, available from
<a href="http://www.maxmind.com">http://www.maxmind.com</a>.
        
GitHub上のGeoLite2を利用したプロジェクトなどをハシゴして調べた結果、これでCC BY-SA 4.0の課した条件を最低限満たすようです。

ただし、なかなか
GeoLite2データベースの内容の中身を個人で書き換えできるほどIPアドレスに精通した専門家でも無ければリソース改変には当たらないとおもいます。

もし内部の値の一部を改変した場合にはその旨を表示しなければならないようです。

ちなみに、以下の日本語表記でもOKとのことです。

            
            この製品には MaxMind が作成した GeoLite2 データが含まれており、
<a href="http://www.maxmind.com">http://www.maxmind.com</a> から入手いただけます。
        


GeoLite2の利用規約の大幅な見直し

本稿執筆時点で、GeoLite2公式にこのようなアナウンスがされております。

            
            Due to upcoming data privacy regulations, we are making significant changes
to how you access free GeoLite2 databases starting December 30, 2019.

Learn more on our blog.
        
2019年12月30日より、GeoLite2の利用規約が大幅に変更になり、その先のブログ | Significant Changes to Accessing and Using GeoLite2 Databasesを読んでみます。

これは
California Consumer Privacy Act (CCPA)というカリフォルニア州の新設したプライバシー保護規制によって、従来Maxmind社のWebページから誰でもダウンロード可能だったデータが、ユーザー登録制になって、利用規約の同意なしには使うことができなくなるようです。

なんとも煩雑に感じる今回の規約変更ですが、ユーザー登録さえすれば、引き続き無償で
GeoLite2を利用可能だということらしいのでそこだけとってもありがたいことであります。

ただ登録制になったとはいえ、ライセンスは依然
Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International Licenseなのには変更ありません。


ユーザー登録手順

まずユーザーアカウントをココのページにて作成します。

なお、まだできて間もない利用規約なので、現時点で日本語登録には対応していないようです。

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英語とはいえ、メールアドレス以外はそんなにシビアに聞かれないため、任意項目は空欄にしても、登録できるようです。フォームを埋めると、設定したメールアドレスに、初回ログイン用のパスワードのリンクが付いたメールが届きます。アカウントIDは登録したメールアドレス名になっているようなので、パスワードを生成します。

生成したパスワードで、ログインできるようになりますので、そのままログインすると以下のようなダッシュボード画面に遷移できるようになりました。

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画面右下にある
Download Databaseに進むと、GeoLite2がダウンロードできる仕様のようです。

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これで、以前と同じように、データベースを利用できます。


CC BY-SA 4.0

改めて、Creative Commonsライセンスとは、国際非営利団体Creative Commons Org.の定める著作権保護ルールです。

このCCライセンスの基本条件は以下の4つであり、

            
            BY(表示):
    作品のクレジットを表示すること
NC(非営利):
    営利目的での利用をしないこと
ND(改変禁止):
    元の作品を改変しないこと
SA(継承):
    元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること
        
と定められており、これらの組み合わせで以下のような6種類のライセンスが構成されております。

            
            BY:
    最も自由度の高いライセンス条件.
    原作者のクレジット情報を表示すれば, 改変OK, 営利目的で二次利用もOK
BY-SA:
    BYの条件に加え, 改変する場合には, 元の作品と同じ
    CCライセンス(つまりBY-SA)で公開しなければならない
BY-ND:
    BYの条件から, 元の作品を改変できる自由を挿し抜いたもの
BY-NC:
    BYの条件から, 営利目的での利用の自由を制限したもの
BY-NC-SA:
    BY-SAの条件から, 営利目的での利用の自由を制限したもの
BY-NC-ND:
    最も制限の厳しいライセンス条件.
    原作者のクレジット情報を表示し, 改変NG, 営利目的で利用もNG
        
さて、GeoLite2BY-SAに当たるライセンスをですので、提供元であるMaxMind社のクレジットを適切に表示すれば、基本的には良いと思われます。

(元ソースを改変しない限りにおいて)最低限必要なクレジットとしては、

            
            + タイトル(製品名):
    GeoLite2 data
+ 作者:
    MaxMind
+ 公開されているソース元のリンク:
    http://www.maxmind.com
        
の情報が簡潔に分かれば良いので、例えば以下のような表示を利用者の目につきやすい位置に貼り付けておきましょう。

            
            This product includes GeoLite2 data created by MaxMind, available from
<a href="http://www.maxmind.com">http://www.maxmind.com</a>.
        


まとめ

今回は、GeoLite2の利用する際の注意点を特集しました。

弊社のWebサイトでも今後、
GeoLite2データを利用した機能を作成する予定です。

その時はこの記事にまとめたことが役立つことかと思います。
記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

主にAngularでフロントエンド開発することが多いです。 開発環境はLinuxメインで進めているので、シェルコマンドも多用しております。 コツコツとプログラミングするのが好きな人間です。