ConoHa VPS(Linuxインスタンス)で最新のWine(Wine-HQ)をインストールする


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2025/04/28
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最新のWineのリリースバージョンが10になり、Windowsアプリケーションの動作もだいぶ安定してきました。

ここでは、Conoha VPSのDebian Linuxインスタンスへ最新のWineをインストールする手順を解説します。


ConoHa VPS

DebianにWineをダウンロードインストール

まず、そもそもDebianのパッケージマネージャからもWineは導入できるわけですが、

            $ sudo apt update && sudo apt upgrade -y
$ sudo apt install wine

#...インストール後
$ wine --version
wine-9.0
        
という感じに、おおよそDebian標準で提供されているアプリケーションは軒並みちょっと前の安定版が利用されることがほとんどです。

なので、どうしても最新版が使いたい場合には、開発元の公式から提供されているようなバイナリダウンロード等を検討する必要があります。

まずはDebianインスタンス(64bit)でも32bitアーキテクチャが利用できるように、以下のコマンドで追加しておきます。

            $ sudo dpkg --add-architecture i386
        

レポジトリの追加

次にダウンロード先のレポジトリを追加します。

            $ wget -O - https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/winehq-archive.key -
        
次にsources.listにDebian12用のレポジトリ場所を追加します。

            $ sudo wget -NP /etc/apt/sources.list.d/ https://dl.winehq.org/wine-builds/debian/dists/bookworm/winehq-bookworm.sources
        
正常に設定できたら、パッケージをアップデートしておきます。

            $ sudo apt update
        

Wineをインストールする

最新版のWineをインストールする準備が整いました。

なお、最新版といっても
--install-recommendsオプションから3つのブランチが指定できます。

            #Stable ... 安定版
sudo apt install --install-recommends winehq-stable

#Development ... 開発中のベータ版
sudo apt install --install-recommends winehq-devel

#Staging ... ステージされたばかりの機能実験版
sudo apt install --install-recommends winehq-staging
        
よって、Stable < Development < Stagingの順で、最近のWindowsアプリケーションが動作する可能性も高くはなってきますが、動作は不安定で、潜在的なバグが多く存在していることに注意が必要です。

インストールが成功したら、バージョンを確認してみましょう。

            $ wine --version
wine-10.0
        
現時点で最新バージョンとなるv10がインストールされたことが分かります。

Winetricksをインストールする

もう一つ
Winetricksも同時にインストールしておきましょう。

WinetricksはWineにランタイムやフォントなどのライブラリを追加するために利用するヘルパーツールです。

Wine上で動作させたいWindowsアプリケーションのよっては追加のランタイムが必要になってくるので、Wineと同時にWinetricksも入れておきましょう。

Winetricks自体はもともと個人開発で公開されてきたプロジェクトです。

Winetricks - github

インストールはGithub上のソースコードをビルドするか、ビルド済みのバイナリをダウンロードするかで、利用可能です。

            $ cd ~/Downloads
$ wget https://raw.githubusercontent.com/Winetricks/winetricks/master/src/winetricks
$ chmod +x winetricks
$ sudo mv winetricks /usr/local/bin
$ winetricks --version
Executing cd /usr/local/bin
20250102-next - sha256sum: fd4f57a2b385c89ea896a3a8115003e935551e410128b2353dfebe2915d93d3f
        
これでWinetricksがコマンドから利用できるようになりました。

ちなみに、winetricksをアップデートしたい場合、

            $ winetricks --self-update
        
で、手動によるアップデートが可能なのは便利です。


ConoHa VPS

WineとWinetricksの簡単な動作確認

では先ほどインストールしたwineおよびwinetricksの動作確認を行ってみます。

まずwine単体ですが、以前の記事でwineでは組み込みのコマンドプロンプトが利用できる旨を説明していました。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の技術ブログ
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Linux Wineのcmdコマンドを使って、Windowsのbatファイルを実行する

単純にこれを試すと、

            $ wine cmd
#...中略
Microsoft Windows 10.0.19043

Z:\root>echo Hello
Hello
        
で、エラーがなければ問題なくインストールできていそうです。

次に、winetricksですが、まずはwineでインストール可能なライブラリを確認します。

listサブコマンドは、表示可能なカテゴリがピックアップできます。

            $ winetricks list
apps
benchmarks
dlls
fonts
settings
        
例えば、日本語フォントを追加したい場合、

            $ winetricks fonts list | grep Japanese
#👇インストール可能な日本語一覧
cjkfonts                 All Chinese, Japanese, Korean fonts and aliases (Various, ) [downloadable]
fakejapanese             Creates aliases for Japanese fonts using Source Han Sans fonts (Adobe, 2019)
fakejapanese_ipamona     Creates aliases for Japanese fonts using IPAMona fonts (Jun Kobayashi, 2008)
fakejapanese_vlgothic    Creates aliases for Japanese Meiryo fonts using VLGothic fonts (Project Vine / Daisuke Suzuki, 2014)
ipamona                  IPAMona Japanese fonts (Jun Kobayashi, 2008) [downloadable]
takao                    Takao Japanese fonts (Jun Kobayashi, 2010) [downloadable]
vlgothic                 VLGothic Japanese fonts (Project Vine / Daisuke Suzuki, 2014) [downloadable]
        
という感じでお目当てのフォントが表示できます。

あとはwinetricksでこれらのランタイムを追加していくだけです。

追加は、フォント・アプリケーション・ランタイム等々、一括でしていすることも可能です。

            $ winetricks -v cjkfonts busybox vcrun2022
        
なお、winetricksをGUIから動かしたい場合、zenityかkdialogのGUIレンダリングエンジンが必要です。

例えばzenityをインストールして、GUI起動させてみます。

            $ sudo apt install zenity -y
$ winetricks
        

合同会社タコスキングダム|蛸壺の技術ブログ

SSHを使わない場合には、GUIからのほうが便利に操作できます。


ConoHa VPS

まとめ

今回はConoha VPSのDebianインスタンスを使って、Wine/Winetricksのインストール手順を確認しました。

同然といえば同然ですが、wineを導入する時間が惜しい、手順がやや煩雑に感じられた場合にはConoha VPSのwindowsインスタンスを利用を検討してみてください。