AWS EC2でWindowsインスタンスを立ち上げてRDPリモートデスクトップ接続を試す


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2022/09/18
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蛸壺の技術ブログ|AWS EC2でWindowsインスタンスを立ち上げて、RDPリモートデスクトップ接続を試す

巷には色んなWindowsベースのレンタルサーバーで提供されているVPSサービスがあります。ほとんどの場合、WindowsがホストOSになっているタイプのリモートサーバーは、最低スペックのものでも月額1,000円以上のプランから利用することができます。

例えば、Windows系のレンタルサーバーの料金が比較的安価で安定性も高い『
SSDプランが月々698円から使える!さくらのVPS
』などが有名どころかと思います。

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もともとAWSに慣れ親しむ人間からすると、設定方法さえ理解できればAWS EC2でもVPSサーバーの設定を柔軟に構築しかつ、料金を最小限に抑えつつかつレンタルサーバーと同等のWindowsインスタンスを利用することも可能になります。

今回はもっとも簡単な凡例として、EC2からWindowsインスタンスを立ち上げて、RDPでリモートデスクトップとして使用するテクニックの基礎を紹介します。


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EC2でリモート接続できるWindowsインスタンスを準備する

では、おおよそAWS公式のドキュメント・Windows インスタンスに接続するに沿って手順を説明していきます。

なお、WindowsOSの利用ライセンス利用料は、Windowsインスタンスの従量課金に含まれていて、他のOSイメージより割高です。

さらに、同時リモート接続数が3以上になると、リモートデスクトップサービス(RDS)ライセンスを別途購入する必要があり、知らずに2つを超える接続を試みるとそのままエラーが発生するので注意が必要です。

Windowsインスタンスの利用は他と比べるとどうしても料金が割高ですので、どうしてもWindowsOSでなければいけない事情がある以外なら、他のLinux系OSのインスタンスを利用することをおすすめします。

(最初の12ヶ月間は)無料のWindowsインスタンスを作成する

AWSデビューしてからの1年間は利用料無料のEC2インスタンスタイプがあるので、以降ではできるだけ無料で試せる人を念頭に説明を進めていきます。

一年過ぎると、軽量のインスタンスを利用しても月1000円以上の費用が発生してしまうので、割高に感じてしまうようなら、別のVPSサーバーをレンタルすることも検討してください。

ではまずはAWSの
EC2ダッシュボードから作業します。

リージョンがデフォルトの
オハイオ等となっている場合には、東京へリージョンを変えておきます。

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ダッシュボードの左のペインから
[インスタンス]で、インスタンス操作ページに移ります。

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そこで、
[インスタンスを起動]ボタンを押して、RDP接続テスト用の新しいWindowsインスタンスを作成してみます。

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現状、無料対象となっているWindowsインスタンスのイメージがいくつかあります。特に今回はリモートデスクトップ接続を試すだけですので、どれを選択しても構いません。

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比較的新しいイメージでは、ルートデバイスの最低容量が30GB以上必要になります。

あまり不要にEBSの容量を大きく取りたくなかったので、とりあえず今回は最低ルートボリュームが少ない
Microsoft Windows Server 2012 R2 Baseを選んでおきます。

インスタンスタイプも無料枠の軽量プランを選択しておきます。

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AWS EC2を利用したリモートデスクトップ接続においては、
「キーペア」の設定が直接影響します。

キーペアはその名前通り、他のデスクトップ環境から、EC2インスタンスへアクセスのための認証キーです。キーペアはリージョンごとに作成され、セキュリティグループのリージョンと一致させる必要があります。

ではキーペアを作成してみましょう。

[キーペア(ログイン)]の項目で、適当なキーペア名を入力します。

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SSH認証キーの選択肢には、
pemppkの形式があります。

これは使う予定のRDPクライアントソフトによって、OpenSSHベースのSSH秘密鍵を要求されているのならばpemを、PuTTY系ならばppkを選択することになります。

ちなみに著者はOpenSSHが多く採用されているLinux上のRDPクライアントソフトを利用することが多いので、ここではpemを選択します。

[キーペアを作成]ボタンを押すと、SSH秘密鍵がローカルに保存できるので、後々これを使ってRDPクライアントに設定していきます。

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では現在のVPCネットワークにファイヤーウォールを設定するために、
[ネットワーク設定]の項目を仕込んでいきます。

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ここでは、RDP接続するセキュリティグループを新しく作成します。

既に設定しているファイヤーウォールに追加するには、
既存のセキュリティグループを選択するを選ぶことになります。

ここでは、RDP接続するのは、自宅のグローバルIPだけに制限したいので、
自分のIPのみを許可します。

また、ウェブサーバーなどを立てる場合には、HTTP/HTTPSのトラフィックを別途設定する必要があります。

最後にストレージですが、ルートボリュームに10GB程度を付けておきます。

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以上の設定後に、
[インスタンスを起動]ボタンを押しましょう。

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これで設定に問題がなければ、Windowsインスタンスが生成されます。

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EC2のダッシュボードのメイン画面に戻ると、ちゃんと実行状態になっていることが確認できます。

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なお、起動直後の初期化には少し時間がかかります。


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RDPクライアントからWindowsインスタンスに接続してみる

先程までで、Windowsインスタンスの起動まで完了しました。

あとは、お手元のパソコンに適当なRDPクライアントソフトを使って、このEC2インスタンスに接続できればOKです。

まず最初に初回アクセス時に必要な管理者パスワードの設定・取得から行っていきます。

EC2インスタンスログイン用の管理者パスワードを作成する

まずはEC2コンソールをから、先程のWindows EC2インスタンスを選択します。

ページの上部にある
[接続]ボタンをクリックすると、インスタンスに接続というページに移ります。

ここで
RDPクライアントタブ内の、下側にある[パスワードの取得]ボタンをさらにクリックしましょう。

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次の画面で
[Browse]でプライベートキーのファイルを選択します。

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先程ローカルに保存したSSH秘密鍵のファイルを読み込みます。

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すると、秘密鍵の中身がアップロードされます。

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これで
[パスワードを復号化]ボタンを押すと、

インスタンスのデフォルトの管理者パスワードが、コンソール上の [パスワード] に表示されます。

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RDP接続でログインする際に必要になるパスワードですので、誰にも知られないように管理しましょう。

ここまで出来たら、ページの中腹にある
[リモートデスクトップファイルのダウンロード]ボタンを押してみます。

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あとは、
rdp形式のRDP接続設定ファイルがダウンロードできるので、これを使うことのできるクライアントソフトであれば簡単に接続可能です。

RDPクライアントの準備

先程ダウンロード済みのrdpを使って、いよいよWindowsインスタンスへログインさせていきましょう。

RDPクライアントソフトには様々な選択肢がありますが、著者として良く利用しているLinuxユーザーには定番の
「Remmina」を利用します。

Remminaを起動し、メニューから、
[インポート]をクリックします。

そして先程ローカルに保存したrdpファイルを読み込ませるだけで準備完了です。

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インポートできたRDP設定をダブルクリックすると、RDP接続が始まります。

先程取得した管理者パスワードを入力し先に進みます。

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接続が成功すると、初回ログインではWindowsユーザーの設定が出来てきます。

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しばらく待つと、いつものWindows画面が現れればリモートデスクトップ接続成功です!

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あとは普通のWindowパソコンとして、作業することができます。

作業後はインスタンスを停止させる

RDP接続を切断しても、リモートのインスタンスは当然稼働したままの状態を維持し続けます。

もし何もさせていないままで放置した場合、EC2インスタンスによってはそのまま利用料金が課金され続けるので、きちんと停止済み(Stopped)か終了済み(terminated)の状態にさせることが大切です。

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なお、通常ではインスタンスへのIPアドレスは自動割り振りになっているので意識することはありませんが、インスタンス固有のIPアドレス値を
「Elastic IP」を使ってIP固定してた場合には、たとえ停止済みになっているインスタンスでも、IP固定サービスの利用料が発生しますので注意が必要です。


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参考サイト

EC2へのリモートデスクトップ手順 (2021年版)