【VPS・Linuxサーバー入門】WebARENA IndigoのVPSでお手頃な値段でプライベートLinuxサーバーを試そう


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2022/11/19
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蛸壺の技術ブログ|WebARENA IndigoのVPSでお手頃な値段でプライベートLinuxサーバーを試そう

近頃の円安の影響で、AWSのEC2インスタンスを使ったVPS(Virtual Private Server;仮想専用サーバー)でLinux動作環境を維持するのも少し高めに感じます。

AWSの
シンプル料金計算サイトでざっくりと調べてみても、大体利用するであろう中でも最安料金である「t3a.nano」のLinuxインスタンスでも、現時点で月$4.47、現在のレートで620円強にもなります。

基本的にAWS EC2インスタンスの料金は無料枠の対象外になると割高であり、料金だけでいくと、国内のVPSサービスを利用したほうが為替レートや燃料代の変動などの影響も少なくなり、割引プランなども利用することでかなりお得にVPSを利用することが出来ます。

国内のVPSサービスの比較には、「VPS 比較」でオンライン検索すると、かなりのサイトで各社のVPSプランの比較を見ることが出来ます。

このサイトでは、
動作テスト目的で最低限利用できる軽量なLinuxサーバーのVPSプランの一つである「WebARENA Indigo」に絞って、その導入から簡単な利用方法を紹介します。


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WebARENA Indigoのユーザーアカウントを作成する

まずVPSを利用する前に「WebARENA Indigo」にユーザー登録をします。

なお、VPSインスタンスを起動しなければ利用料は発生しませんので、難しく考えずにとりあえず気楽にユーザー登録しましょう。

ユーザー登録には公式ページ内に設置されている、

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のようなリンクをクリックしてみます。

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Googgleアカウントを持っている方はそのままスムーズにユーザー登録可能ですが、ここでは一からサインアップまで行っていきます。

基本情報を入力すると次に、登録したメールアドレスから認証メールを受け取ります。

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登録したメールアドレスに、WebARENAから送られたメール内にある
「Verify your Email Address」をクリックします。

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メールアドレスの認証が終わると、次に本人確認のための携帯電話による認証作業に進みます。

選択肢として、自動音声確認か、SMSによる確認の2択になりますが、ここではSMSを選択してみます。

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「確認コードを送信する」ボタンを押すと、ご自身の携帯電話にテキストメッセージが届くので、その4桁の数字を60秒以内に入力して、「入力する」ボタンを押しましょう。

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これで本人確認が完了しましたので、次に利用料のお支払方法の設定に移ります。

なお料金の支払いは基本的にクレジットカード決済のみになるようです。

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最後にサービスに関する基本情報を入力して終わりです。

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設定を完了すると、WebARENAの総合ダッシュボードに切り替わり、ユーザー登録が完了しました。

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肝心の「WebARENA Indigo」のサービスダッシュボードへは、
[ご利用中サービス] > 該当のサービス名 > [コントロールパネル]ボタンを開くことで、ページが遷移します。

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このダッシュボードを操作して、WebARENA IndigoでVPSインスタンスを作成・起動等を操作していくことになります。


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簡単なLinuxインスタンスを試す

せっかくなのでLinuxインスタンスを起動するまでの基本操作を行ってみましょう。

なお
公式ページのスタートアップガイドも参考になると思います。

WebARENA IndigoのLinuxインスタンスの料金の確認

WebARENA Indigoのダッシュボードから、サーバーとして立ち上げたいインスタンスタイプを選択して利用できます。

Linuxインスタンスの料金表を公式からそのまま拝借すると以下の通りです。

メモリ

CPU

SSD

ネットワーク

IPアドレス

時間従量料金

月額上限料金

768MB(※)

1vCPU

20GB

100Mbps上限

IPv6

0.45円(税込0.49円)

270円(税込297円)

1GB

1vCPU

20GB

100Mbps上限

IPv4/IPv6

0.5円(税込0.55円)

318円(税込349円)

2GB

2vCPU

40GB

100Mbps上限

IPv4/IPv6

1円(税込1.1円)

636円(税込699円)

4GB

4vCPU

80GB

500Mbps上限

IPv4/IPv6

2円(税込2.2円)

1,272円(税込1,399円)

8GB

6vCPU

160GB

1Gbps上限

IPv4/IPv6

4円(税込4.4円)

2,544円(税込2,798円)

16G

6vCPU

320GB

1Gbps上限

IPv4/IPv6

8円(税込8.8円)

5,088円(税込5,596円)

32G

8vCPU

640GB

1Gbps上限

IPv4/IPv6

16円(税込17.6円)

10,176円(税込11,193円)

(※)メモリタイプ768MBのインスタンスは、IPv6のIPアドレスのみに対応しています。

WebARENA Indigoの特徴は、1時間ごとの従量課金方式なので、不要なインスタンスを作成・削除を細かく管理することで、1ヶ月縛りなどのVPSサービスと比べて無駄なコストが発生しにくいといえます。

課金対象に関する注意事項として、インスタンスの料金は、インスタンスを作成した時点から廃棄までの間に発生しています。つまりインスタンスを停止したからといっても、そのインスタンスの使用量料金は発生し続けることになります。

また、基本料金とは別にオプションを追加すると、そのサービスに応じた料金も発生します。

「スナップショット」や「DNS」、「Windowsリモートデスクトップライセンス」といった有償オプションは各自で利用を検討することになると思いますが、これらのオプションはこのブログでは取り上げません。

SSH認証キーを作成する

最初に立ち上げたインスタンスにSSHログインするための「SSH認証キーペア」を生成します。

ダッシュボードから
[インスタンス管理] > [SSH鍵] > [SSH鍵の作成]をクリックします。

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適当な名前で鍵のタイトルを決めます。

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ここで
[作成]ボタンを押すとSSH認証キーが生成され、同時に秘密鍵ファイルをダウンロードすることが出来ます。

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この秘密鍵はテキストデータです。

後でインスタンスに鍵の内容を設定しますので、第三者に見られることのないどこかに保存しておきましょう。

linuxインスタンスを作成する

ではlinuxインスタンスを一つ作成してみましょう。

ダッシュボードから
[インスタンス管理] > [インスタンス] > [インスタンスの作成]までクリックします。

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LinuxOSのディストリビューションもかなり充実していますが、普段ご自身が使い慣れているOSで良いでしょう。

ここでは著者の趣向でDebian11をセレクトしてみます。

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インスタンスの種類の選択ですが、最もミニマムなプランを選択してみます。

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余談ですが、WebARENA Indigoのインスタンスはリソースが在庫切れしやすいことで有名だそうで、人気のあるインスタンスプランは常に奪い合いの状態が続いています。

インスタンスしたいプランが取得できればラッキーで、在庫切れの場合にはある程度忍耐強くキャンセル待ちをする他ないような気がします。

次に先程作ったSSH公開鍵、リージョン(現在は日本のみ)、インスタンス名を適当に与えて、
[インスタンスの作成]ボタンで作成します。

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インスタンスの初期化セットアップが完了するまでしばらく待ちます。

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インスタンスがスタンバイ状態(Stopped)になったのを確認し、このインスタンスを起動してみましょう。

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ステータスが
Runningになっていれば起動状態になっています。

SSH接続の下準備〜ipv6対応か調べる

ミニマムなプランである「1vCPU768MB」は最安料金で使えるのが魅力ですが、利用する際には一つだけ落とし穴があります。

それは、ご自身が契約しているインターネット回線が全体的に
IPv6をサポートしているかということになります。

まずは以下の簡単にお手元のインターネット環境がIPv6に対応できるかどうか確認してみてください。

参考サイト|あなたの IPv6 接続性をテストしましょう。

試しに著者の自宅で契約(解約予定)しているインターネットでIPv6接続性をテストしてみますと、

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と、IPv6非対応という結果になりました。

IPv6対応のインスタンスを使うには、

            
            1) IPv6対応のインターネットプロバイダと契約
2) IPv6対応のネットワークインターフェイスを備えたパソコン(ハード面)
3) IPv6対応のネットワークルータ(ハード面)でLANを構築
4) IPv6対応のサーバーへアクセスしている
        
の条件をすべて満たす必要があります。

この条件の項目2と3に関しては、わりかし古いマシン構成だったり、中古のパーツでパソコンを組んだりしてた頃にはIPv6に対応していないものもありましたが、今となってはほとんどIPv6に対応しているものと思います。

項目4はWebARENA Indigoを利用する上で当然クリアしているのでここでは問題ないと思います。

ということで現状、一番IPv6対応で引っかかりそうな条件は項目1のISP(インターネットプロバイダー)側のサービス設定にあることになります。

もしISPと直接インターネット契約している分には、IPv6の機能をアクティブにすることでIPv6が利用可能になることがほとんどであると思います。

現状においてIPv6が使えない状況として多いのが、マンション・集合住宅の運営側が契約して住人に提供しているケースや、著者のように小さな地方自治体の行政地域が業者に委託して一般住宅に提供している専用回線サービスなどです。

このようなケースでは、管理者側に相談するとIPv6の機能を使えるように交渉できるかも知れませんが、1ユーザーのためだけに全体の設定を変更するのは如何なものかと却下されることがほとんどではないかと思います。

どうしてもIPv6でのインスタンス接続にこだわるのであれば、いっそのことWiMAXに乗り換えることも検討に値します。

著者のおすすめとしては
『GMOとくとくBBのWiMAX』です。現在対応エリアが拡大中の5G通信網を利用すると、光回線と遜色ないインターネット速度が利用可能になっています。

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手元の「GMOとくとくBBのWiMAX+5G」で試した限りですが、問題なくIPv6対応しております。

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なお、IPv6未対応のISPをどうしても利用しないといけない事情がある場合には、仕方ないと割り切って、「IPv4」の使えるインスタンスを利用してください。

LinuxインスタンスへSSH接続(IPv6対応)を試す

では手元のデスクトップ(Linux)環境からこのWebARENA Indigo VPS内に作成したインスタンスを起動して、IPアドレス(IPv6)でアクセスしてみましょう。

まずは
ping6(IPv6対応のpingコマンド)を試して、このインスタンスに到達するかを試してみましょう。

            
            % ping6 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:0001
PING6(56=40+8+8 bytes) 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:fc14 --> 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:1
16 bytes from 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:1, icmp_seq=0 hlim=51 time=150.839 ms
16 bytes from 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:1, icmp_seq=1 hlim=51 time=188.256 ms
#....
--- 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:0001 ping6 statistics ---
7 packets transmitted, 7 packets received, 0.0% packet loss
round-trip min/avg/max/std-dev = 57.379/112.551/205.652/61.659 ms
        
pingが起動中のインスタンスに到達しなければ、どこかの設定に問題があるかもしれませんので、IPv6周りの設定を注意深く調べてみると良いでしょう。

サーバまでの到達性が確認できたなら、いよいよSSH接続を試します。

sshコマンドの利用方法はここでは深堀しませんが、お手元のデスクトップ環境でのSSHクライアント設定ファイルがホームディレクトリ内の
.sshフォルダ内のconfigファイルにあるものとします。

            
            $ ls -la .ssh
-rw-r--r--  1 ******* ******* 287  4月 21  2022 config
#...略
        
まずは先程ダウンロードしたSSH秘密鍵(private_key.txt)を.sshフォルダに分かりやすい名前にリネーム(ここではtacokin-no-himitsu)&移動してみます。

            
            $ cd <SSH秘密鍵をダウンロードした場所>
$ mv private_key.txt ~/.ssh/tacokin-no-himitsu
        
これで.sshのフォルダ内にSSH秘密鍵を保管しました。

次に
.ssh/configファイルを直接編集して、ssh接続出来るように情報を追加します。

            
            ホスト名:
    作成したインスタンスに付与されたIPアドレス
ユーザー名:
    インスタンス化したOSに対応したユーザー名(※1)
パスフレーズ:
    空白(もしくは不要)
ポート:
    22
SSH鍵:
    SSH鍵の秘密鍵(private_key.txt)の中身
        
この内、※1のインスタンスのベースOSとして指定した対象のOSによってデフォルトユーザー名が以下のようになります。

            
            CentOS: centos
Ubuntu: ubuntu
Rocky Linux: rocky
Alma Linux: alma
Oracle Linux: oracle
Debian: debian
        
例えば今回の例だと、SSH接続名をmy-indigoとしてローカルファイルに登録する場合、

            
            #...
Host my-indigo
  HostName 2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:0001
  User debian
  Port 22
  IdentityFile "~/.ssh/tacokin-no-himitsu"
        
のように.ssh/configにフィールドを設定します。

.ssh/configファイルを編集・保存し終えたら、SSH接続できるかどうかをテストしましょう。

            
            % ssh my-indigo
The authenticity of host '2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx::1 (2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx::1)' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.
This key is not known by any other names
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes

Warning: Permanently added '2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx::1' (ED25519) to the list of known hosts.
Linux i-1xxxxxxxxxxxxx 5.10.0-16-amd64 #1 SMP Debian 5.10.127-1 (2022-06-30) x86_64

The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software;
the exact distribution terms for each program are described in the
individual files in /usr/share/doc/*/copyright.

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.
-bash: warning: setlocale: LC_ALL: cannot change locale (en_US.UTF-8)
_____________________________________________________________________
WARNING! Your environment specifies an invalid locale.
 The unknown environment variables are:
   LC_CTYPE=en_US.UTF-8 LC_MESSAGES=en_US.UTF-8 LC_ALL=en_US.UTF-8
 This can affect your user experience significantly, including the
 ability to manage packages. You may install the locales by running:

 sudo dpkg-reconfigure locales

 and select the missing language. Alternatively, you can install the
 locales-all package:

 sudo apt-get install locales-all

To disable this message for all users, run:
   sudo touch /var/lib/cloud/instance/locale-check.skip
_____________________________________________________________________

debian@i-1xxxxxxxxxxxxx:~$
        
無事Linux(Debian)インスタンスにSSHでログイン出来ているようです。めでたしめでたし。

余談〜SSH秘密鍵ファイルの権限レベルの設定

もしも、SSHの秘密鍵を利用する時に、以下のように秘密鍵ファイルのアクセス制限レベルが低い場合には、SSHから怒られる時があります。

そんな時には、chmodコマンドで、ファイルのアクセス権限のレベルを引き上げる必要があります。

例えば、
.sshフォルダに保存していたSSH秘密鍵ファイルのアスセス権限が0644相当だった場合、0600に変更すると良いようです。

            
            % ssh my-indigo
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
@         WARNING: UNPROTECTED PRIVATE KEY FILE!          @
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
Permissions 0644 for '/*********/.ssh/tacokin-no-himitsu' are too open.
It is required that your private key files are NOT accessible by others.
This private key will be ignored.
Load key "/*********/.ssh/tacokin-no-himitsu": bad permissions
debian@2001:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx::1: Permission denied (publickey).

% sudo chmod 600 tacokin-no-himitsu
        
これでSSH秘密鍵ファイルが適切に読み込まれるようになると思います。


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まとめ

今回はWebARENA Indigoの利用を検討している方向けに、サービスの登録方法からLinuxインスタンスの作成・IPv6でのSSH接続まで解説していきました。

あとはインスタンスにファイヤーウォールを付ければセキュリティも万全ですが、現在、WebARENA Indigoのファイヤーウォール機能は
IPv6には未対応ですので、「ip6tablesコマンド」を利用する必要があります。

ip6tablesも興味深いので、後日時間が許せばこちらの内容も取り上げて、このブログで紹介していきたいと思います。